円安と円高どっちが生活に影響がある?
円安と円高は日本の社会情勢だけでなく、世界中の社会情勢に影響されて変動するのが一般的です。
どうしても円安と円高のどちらかの状態になってしまうのは避けられないため、具体的に円安と円高どっちのほうが生活に影響があるかについて把握しておきましょう。
注意点としては円安と円高どちらの状態が絶対良いわけではなく、それぞれの状態でメリットもあればデメリットもある点です。
今回は円安と円高どっちが生活に影響があるかに加えて、円安と円高状態の違いについても解説するので参考にしてください。
円安と円高はどのような状態?
円安と円高はニュースなどで聞く機会があっても、具体的にどのような状態か把握している人は多くありません。
円安は日本円が外貨と比較して価値が低くなっている状態であり、反対に円高は日本円が外貨と比較して価値が高くなっている状態です。
日本だけでなく世界中の社会情勢が影響しているため、他の国で社会情勢でプラスの出来事が起こって相対的に価値が低くなるケースもあるでしょう。
そのため、円安状態では商品を購入する際に必要になる金額が高くなって、円高状態では商品を購入する際に必要になる金額が低くなります。
円安状態では海外から商品を輸入するのに支払う金額が多くなるため、国内で販売されている輸入品の値段が高くなります。
一方で円高状態では海外から商品を輸入するのに支払う金額が少なくなるため、国内で販売されている輸入品の値段が安いです。
一般的には円安状態の方が食料品や日用品が高くなる傾向にあり、生活に対しての影響が大きくなると考えられています。
しかし、円高状態が継続すれば経済が良くなるわけではなく、業界によっては円安状態の方が望ましいケースもあるのは把握しておきましょう。
円高と円安をドルで考えてみる
円高と円安をドルで考えてみると1ドル=100円を基準とすれば、具体的に円高と円安の影響についてわかります。
円高状態は円の価値が高くなっているため、1ドル=80円なら1ドルの商品を買おうとすれば80円で購入が可能です。
しかし、円安状態では円の価値が低くなっているため、1ドル=120円なら1ドルの商品を買おうとすれば120円必要になります。
海外からドルで商品を購入する場合、円高か円安かによって必要になる経費が大きく変わるため国内での販売価格も大きく変わるといえるでしょう。
これが個人でやり取りする金額規模ではなく、企業や国などがおこなっている大きな取引になると日本円で数百万から数千万円の影響が生まれるでしょう。
円安状態の方が望ましい業界について
円安状態の方が望ましい業界もいくつか存在しており、反対に円高状態では経営などにかかる負担が大きくなってしまいます。
円安状態の方が望ましい業界としては観光業が挙げられ、観光業の中でも特にインバウンドを対象にしている場合は影響が大きいです。
インバウンドからすれば自分たちが持っているお金の価値が高いほうが、日本への旅行費用が抑えられるのに加えて買い物なども安価にできます。
インバウンドが多くなって日本国内でお金を使用する機会が多くなれば、免税店の大きな売上にもつながるでしょう。
実際に免税店の多くは円高時よりも円安時の方が売上が多くなる傾向にあるため、円安時には特にインバウンドに向けた商品を揃えています。
また、先述したように輸入業は円高時の方がメリットが大きい一方、輸出業では円安時の方がメリットが大きいです。
理由はドルで商品を輸出した場合、日本国内などでドルから日本円に為替をすれば多くの日本円を手にできるからといえます。
円安状態の方が日常生活への影響が大きくなる
円安状態では日本の産業やサービスが海外に販売しやすくなりますが、反対に海外から日本へ商品を輸入するコストが大きくなるのは避けられません。
また、注意しなければならない点として挙げられるのが、商品の原材料によっても商品の値段に影響を与える点です。
商品の生産自体は国内でおこなっていたとしても、商品を生産するのに必要になる原材料を輸入している場合は生産コストが高くなります。
円安状態では基本的に物価が全体的に上がる傾向にあるため、生活必需品も高くなって生活に少しずつですが影響を与える可能性が高いです。
一般的にぜいたく品と呼ばれる商品が高くなる分には対処も簡単ですが、生活必需品が高くなるのは対処が難しくなります。
まとめ
円安と円高はどちらの状態でも日常生活には影響が生まれ、業界などによっても円安と円高の恩恵が違うのが特徴です。
しかし、日常生活に特に大きな影響を与えるのは円安時であり、輸入コストが高くなって生活必需品の物価も高くなりやすいといえます。
注意点としては円安時にすべての物価が高くなるわけではなく、円安時でも物価が低くなったり、変わらなかったりするものもあるのは理解しておきましょう。